天地人研究所 株式会社

新旧学習指導要領の授業時間数――中学校

文部科学省は、2008年（平成20年）3月28日に「中学校学習指導要領」を告示しました。
これをもとに、中学校の授業時間数が新しい学習指導要領でどう変わるかをまとめます。

以下では、授業時間数を「１週間あたりの授業時数」＝「コマ数」で表します。例えば、毎週、月曜日の３時限目と木曜日の５時限目の２回授業があるとすれば、授業時間数は２コマです。コマ数の３５倍が１年間の授業時数になります。

■ すべての学年に共通のこと

次の２点は、３学年に共通です；

1. ３学年とも、授業時間数が１コマふえる。
2. ３学年とも、音楽・美術・技術家庭・道徳・特別活動の授業時間数は変わらない。

■ 中１のこと

教科に配当される時間

数学…＋１コマ、外国語…＋１コマ、保健体育…＋0.4コマとなり、合計2.4コマふえる。

総合的な学習と選択教科の時間

教科でふえた2.4コマのうち全体の授業時間数増（＋１コマ）でまかなえない分1.4コマだけへる。
（旧指導要領2.9コマ→新指導要領1.5コマ）

■ 中２のこと

教科に配当される時間

国語…＋１コマ、理科…＋１コマ、外国語…＋１コマ、保健体育…＋0.4コマとなり、合計3.4コマふえる。

総合的な学習と選択教科の時間

教科でふえた3.4コマのうち全体の授業時間数増（＋１コマ）でまかなえない分2.4コマだけへる。
（旧指導要領4.4コマ→新指導要領２コマ）

■ 中３のこと

教科に配当される時間

社会…＋1.6コマ、数学…＋１コマ、理科…＋1.7コマ、外国語…＋１コマ、保健体育…＋0.4コマとなり、合計5.7コマふえる。

総合的な学習と選択教科の時間

教科でふえた5.7コマのうち全体の授業時間数増（＋１コマ）でまかなえない分4.7コマだけへる。
（旧指導要領6.7コマ→新指導要領２コマ）

■ まとめ　――　一言でいうと

以上からわかるように、今回の授業時間数変更の正体は、「教科（特に英理数社国）の時間をふやし、総合と選択の時間をへらす」ことです。

この理解に基づけば、移行措置で授業時間数が変更される場合、具体的にどうなるかをある程度予想することができます。
●　授業時間数の移行措置の予想　――　中学校